「ぼくのおみせ」ができるまで 忍者ブログ
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エル ニョスキ店主の スペイン バルセロナでの料理修行体験記。 といっても、 料理のお話だけではありません! 時間があるときに少しずつアップさせてもらいます♪ ※当ブログの無断転載はしないでくださいね!! でもまぁ転載するほどの大作でもありませんけど(笑)
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2008/10/17 (Fri)
広島市内の小さな雑居ビルの二階にある、こじんまりとしたスペイン料理店
「ラ カンペシーナ」。
とても狭く、とても急な階段を上って二階の扉を開くと、目の前に小さな4名掛けのカウンターがあり、正面から見て左側と奥には、これまた小さなテーブル席が二つ。
お店に着くと、大きな体をしたオーナー通称「ジャンボ」さんと、アルバイトのお姉さんが、うちらを出迎えてくれました。前もって、綾乃ちゃんが俺の話をジャンボさんにしていたらしいのですが、だからといっていきなり本題を話すのはちょっとおかしな話で。

「とりあえず、食事しよっか?」ということになって、二人で静かに席に着きました。
 
それまでのホテルでの仕事はフレンチやイタリアンが主で、その日までスペイン料理なんて食べたこともなく、考えたこともほとんどなく、これからどんな料理が出てくるのかなんて全く想像がつきませんでした。

だって、当時知っていたスペイン料理は、
「パエリヤ」と「ガスパッチョ」という単語だけ(笑)
そんな「中途半端な見習いコック」が、ですよ。
今まで何日も同じ事を考えて答えが出なかったのにもかかわらず、
最初に出てきた料理を一口食べてみたら、
 
あっさりと答えが出たんです。
 
「ちょっと、俺が探してたものって、コレだよ、コレ!!」
そんな言葉、もちろん口が割けたって年上の人の前では言えません。
一人心の中で、「うぉー!!」って叫んでました(笑)
 
次の瞬間、すぐに俺の口がジャンボさんに言ってました。
 

「良かったら、僕にスペイン料理を教えてもらえませんか?」
 

まさか、俺の口からこんな言葉が出るとは思いもしませんでした。
ある意味、単純ですよね(笑)
 
すると、ジャンボさんもすごく気さくな人で、
「いつでもおいで! もし君がその気なら、向こう(バルセロナ)にツテがあるから紹介してあげるよ?」
と言ってくれたんです。

その時、
「ガーリックライスを…」ということは、すでに頭から消えてました。
 
余談ですが、この日の俺が衝撃的に出会った料理は、
『タコのアリオリソース和え』というものでした。
ボイルしただけなのに、あのタコの柔らかさがまず衝撃的。
ただひたすら、「どーしてこんなに柔らかいの!?」
それとそのタコに和えてある、ニンニクと卵黄をオリーブオイルで乳化させて作る「アリオリソース」。 
そうです。
店主、ダブルでやられたワケです(笑)
 
コックとして働いてる人が、
「この料理を自分で作れるようになりたい!」と思う瞬間。
 
俺とスペイン料理の出会いは、こんな感じでした。
 
 
俺は、翌日になると早速本屋へ走り、スペインに関する本やスペイン語講座のテキスト、料理の本や辞書まで、ありとあらゆるものを買いあさってました。
 
見よ、この単純っぷり(笑)
 
だけど、あの日の俺は何かに取り憑かれたかのように無我夢中だったのを覚えています
 
 
いや、やっぱりただ単純なだけですね(笑)
 
そして数日後から、ホテルの仕事が終わるとジャンボさんの店へ顔を出すようになり、そこがレストランなのにも関わらず自分で買った本を全部持って行き、店のカウンターでスペイン語の勉強をおもむろに始めました。
ひょっとしたら、今考えると結構お荷物だったかな(汗)
 
しかし「勉強する」といっても、自他共に認める「大の勉強嫌い」の俺です。何をどうやって勉強していいのか全く分からなかったので、まずはその買ってきたテキストをノートに丸写しすることから始めました ――アルファベット、数字、単語を書いて、読んで覚えたり、文法の勉強でテキストの例文を丸写ししたり、発音知らないのに音読してみたり―― 

分からないけど、とにかくなんでもいいからと、分からないなりに始めてみました。
 
だって、
他に「コレ!」といった趣味もなかったもので、時間だけはしっかりありましたから(汗)
 

ホテルの仕事が早番で夕方に終わる日や、休みの日もアルバイトが終わってからは、真っ先にジャンボさんの店に向かって勉強する。ジャンボさんのお店から部屋に帰ってからも、テキスト開いては夜遅くまでテキストとにらめっこ。
気が付いたら、そんな日が半年以上も続いてました。とにかく、毎日クタクタになっていたのを思い出します。
実は俺、今まで何かを始めても大抵「中途半端」とか「三日坊主」で終わっていたりする性格でした。

だけど、今回ばかりは「今までと違う自分」がそこにいるのが分かりました。
 
「おいおい。俺、半年以上も同じ事をやり続けてるよ。大丈夫か!?」
 なんて、自分で自分を疑ってたくらいですからね(笑)
 
 

  「さてと。今日はこれから新しい単語を覚えてみよっかな?」
 

 いつからか、部屋のテーブル上は
「冷奴にビール」の組み合わせではなくなり、

「コンビニ弁当とスペイン語のテキスト」の組み合わせに変わっていました。

 
あの頃、
無我夢中な割には先がまだ何も見えていませんでしたが、
当時他に覚えがないくらいの「手ごたえ」と「充実感」を、はっきりと感じていました。
 
 

★★★つづく★★★
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