「ぼくのおみせ」ができるまで 忍者ブログ
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エル ニョスキ店主の スペイン バルセロナでの料理修行体験記。 といっても、 料理のお話だけではありません! 時間があるときに少しずつアップさせてもらいます♪ ※当ブログの無断転載はしないでくださいね!! でもまぁ転載するほどの大作でもありませんけど(笑)
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2008/10/23 (Thu)

 
 「さ、いよいよだ!」

スペインへ出発する日の朝、広島駅から新神戸駅に向かう新幹線の中で、
朝ごはん用に買っておいたカツサンドをおもむろにほおばる。
 
この「カツサンド」、申し訳ありませんが今でもかなりこだわってます。
だけど俺は、
「どこそこ産の豚」とか「カツサンドの味」にこだわっているのではなく、
ただ「あのカツサンド」にこだわっているのです。
 
おそらく「トラウマ」的な感覚です。
 
俺は、広島に住んでいた当時、かなりの貧乏生活をしていました。
 
とにかく貧乏でした(笑)
 
どれくらい?
例えば『初めて広島から実家に帰る時、お腹が空いてるのに新幹線の中で約4時間半も何にも食べられず、広島駅で買ったお茶だけしか飲めず、実家に着くまでひたすらタバコだけで空腹を我慢していたくらい』です(笑)
毎月のお給料から家賃や光熱費、他にいろんなものが差し引かれると、最終的には月末に給料が出てもすぐに金欠になるくらいにお金がなかったんです。
そう。
一人暮らしをしていくには、まだまだ充分なお給料ではなかったのです。
というか、単に俺が無計画な性格だっただけなのかもしれませんが。
 
希望だけで始めた一人暮らし。だけど希望以外何も考えずに始めてしまった結果、お金のやりくりに毎月かなり苦労していました。
休みの日の食事が「カップラーメンだけ」なんて、当時はざらでしたよ(笑)
 
そんな中、用があって広島から初めて実家に帰るために新幹線に乗った時。
空腹でそれはもうどうしようもない俺の隣に座っていた、明らかに俺より若い男性がですね
 
カツサンドをおもむろにほおばってるワケですよ。
俺はそれを、横目でおいしそうに見つめながら、
 
「いつか俺も、新幹線でカツサンドくらい食えるようになってやる!!」
ホント負けず嫌いです(笑)
 
しかし、そんなカツサンド(当時確か500円程度)すら買えないような生活とは、すごく自分が情けなく思えました。
だって、「カツサンドすら」ですよ? 
幕の内弁当や釜飯ならともかく、カツサンドすら。
「情けなく思えた」のではなく、ただホントに情けなかった。
 
「どうしても!」と思って始めた一人暮らしなのに。
いざ一人暮らしをしてみたら、楽しい生活はおろか、自分の無力さだけを痛感。
でも、それ以来用事があって新幹線に乗るときには、今でもその時のことを思い出します。 
毎回駅に着いては、お腹が空いていないにもかかわらず売店でカツサンドを買い、電車の中で食べる。
 
お腹が空いていないのに食べるもんだから、そりゃ太るワケです(笑)
 
「ホント、あの頃は貧乏だったなぁ」
いつでもどこでも新幹線に乗る前には必ずカツサンド買ってます。
 
もちろん、今でも(笑)
 
 
 
そんな中、新神戸へ向かう新幹線の中、右手でカツサンドをほおばりながら、「ばっぱちゃん」と一緒に写っている、俺が幼稚園に通っていた頃の写真を左手に持って眺めてました。
 
「まさか、こんなきっかけで海外に行けるなんて。俺はいったい、これから先どうなっちゃうんだろ!?」
 
何が起こるかは全く想像もつきませんでしたが、
期待と不安で、頭の中がいっぱいだったのを覚えています。
当時二十三歳の俺に「今まで見たくても見れなかったこと」が、すぐ目の前にありました。
 
ただの海外旅行なのにね(笑)
 
俺の個人的な意見。
「きれいごと」かもしれませんが、人生においての「チャンス」とは、待っているだけではいつまでたっても手に入りません。どんな時でも自分から進んで掴んで行く事が大事で、もしもあの時に躊躇なんてしていたら、その躊躇している間にきっと他の人にチャンスを獲られてしまっていただろうと、今でも思います。
 

「お、もうすぐ新神戸駅に着く!」
 
 
とにかく、そのチャンスを誰にも取られたくないという一心で、
無我夢中で、やっとのことでここまでこぎつけました。


★★★つづく★★★ 
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