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「は?」
俺の頭の中にはもうその言葉しかありませんよ(笑)
それ以外は、全部真っ白です。
でも、頭の中を真っ白にしているだけでも何も進みませんので、
自分が伝えたいことは伝えてみます。
「でも、僕は日本料理をやりにスペインに来たのではなく、スペイン料理を勉強しにバルセロナまで来たんです」
すると、
「それは分かってるよ。君に助手を付けて日本料理を彼らに教えてくれれば、君はこっちの料理も勉強できるし仕事もできる。労働許可だって取れるよ?」
と、ジョアン。
「はぁ…」
正直、あまり乗り気ではありません
というか全然行く気になれません。
ケイゴさんの店でも、多少なりとも日本料理をやっていました。
でも、『日本料理』といってスペイン人が連想するものは
『Sushi、Sashimi、Tempura』。
「日本人は毎日これらだけを食べている」と当時は思われていましたから(笑)
そういうのは俺が今まで日本で『プロ』としてやったことのないジャンルであっても、
スペイン人からしてみれば、「日本人なんだからなんでも作れるだろ?」です。
確かに俺は日本人ですが、
家で作るだけならまだしも、それをお客さんに出すなんてとても恥ずかしい話です。
「まぁ、今からゆっくり考えてよ」と、ジョアン・ピケは話を締めくくりました。
ゆっくり考えてよと言われても、全然気分が乗りませんから。
そして、帰りの車中でエクトールとこの話の続きをし延々とます。
1年後に行くであろう「アルサーク」や、今勉強してる「サジョリダ」の話も交えて。
するとエクトールは、
「それなら、アルサークに行くまでジョアン・ピケのところで俺と一緒に働いて、お金を貯めればいいじゃないか!」
「確かにそうだけど、やっぱり『日本料理』ってなぁ・・・」
「ジョアン・ピケも『助手を付ける』って言ってただろ?
そんなに深く考えるなよ、なんとかなるからさ!」
あ、出た。
―なんとかなる―
まぁ、実際にそう言われ、今まで『何とかならなかった』ことはありませんでしたが、ここでそれを言われても、どうしてもためらってしまいますよね。
「サジョリダ」で働いていましたが、お給料はもらっていませんでした。
ジョアン・ピケと一緒に働けば、お給料がもらえます。
しかし、
一番魅力的なのは、『労働許可がもらえる』というところです。
「アルサーク」へ行くにも、労働許可証を持っていれば、
きっとなんの不安もなく、のびのびと勉強できる環境になることでしょう。
『どっちがいい?』と聞かれたら、もちろん労働許可をもらえた方がいいに決まっていますが、
「日本料理を作る」というところだけ、俺の中ですごく引っかかっていたのです。
だって俺、スペインにスペイン料理を勉強しに来たんですよ?
それがまたなんで、
プロの板前さんでもないのに日本料理を作んなきゃなんないの!?
★★★つづく★★★