「ぼくのおみせ」ができるまで 忍者ブログ
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エル ニョスキ店主の スペイン バルセロナでの料理修行体験記。 といっても、 料理のお話だけではありません! 時間があるときに少しずつアップさせてもらいます♪ ※当ブログの無断転載はしないでくださいね!! でもまぁ転載するほどの大作でもありませんけど(笑)
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2009/06/05 (Fri)

さてさて。

10月になり学校も無事進級を果たして3級に上がってからも、
昼は学校へ行って勉強して、
夕方から夜12時くらいまでケイゴさんの店でお手伝いして、という毎日を送っていました。
学校から店までは電車と地下鉄を使って片道約一時間もかかる道のりで、
移動の時間がかなり長く感じます。
 
――電車の窓から見える景色――
 
最初はすごく新鮮な景色だったのですが、
毎日同じ所を通っていると、
いくらここが「外国」とはいえ、道や景色に慣れてしまうんですよ。
 
もう「世界の車窓から」のテーマソングは忘れています(笑)
 
バルセロナまで出るまでに電車に乗っているだけで四十分くらいかかるので、
いつからか、電車に乗っている間はほとんど寝るようになっていました。
 
道や景色だけでなく、
それだけこっちの生活にも慣れたという事なんですかね。
 
 
そんな頃の俺は、
学校の授業が終わると、毎日のように学校近くにあるレストランにランチメニューを食べに行くようになりました。
その中でも、俺が特に気に入ってほぼ毎日通うようになったお店が、
「Casa Ton(カサ トン)」という名前の、学校から歩いて三分くらいで着くお店です。
そのお店は昼間の営業しかやっていなくても、お客は待たせられるくらいどんどんと入ってくる、すさまじいお店でした。
明らかに、一日のランチタイムだけで二百人くらいはこなしているお店です。
学校の帰りにその店に行っては、
今まで聞いたことのない郷土料理や、
今までに食べて気に入った料理を注文して食べてました。
 
どうしてこの店が気に入ったか?というと
 
コックらしき人は厨房におっさん一人しかいなくて、それ以外はパートのおばさん達が、盛り込みの手伝いとその他雑用をこなしています。
客席から見ても、明らかに厨房内はメチャメチャ急がしく、とにかく頼まれた料理を順番に皿に乗っけて出す、という感じのお店です。
前もってスープ、米料理、煮込みなどは大量に仕込んであってそれを随時温めて出しているのですが、肉や魚は忙しいにも関わらず、ちゃんとオーダーごとに焼くようなお店なんです。
 
しかも、そのおっさんが全て一人で(笑)
 
「よくがんばるなぁ、このおっさん」
 
しかも、
ここのおっさんのスープや煮込みはすごく美味しく、しかも手作りで安かったんですよ。
なぜこれだけのお客が入るのかは、料理を食べれば聞く必要もありませんでしたよね。
 
毎日通い続けると、
次第にウェイトレスの姉ちゃんとも顔見知りになって、次第に俺の注文を聞かなくても予想して、
「今日はフィデウァ(パスタ)とチキン? それにガス入りの水だよね?」
と、聞いてくるようになります。
 
お姉ちゃんの「予想オーダー」は大抵当たってました(笑)
 
そして、
俺は毎日その店に食べに行っては、周りのお客を眺めました。
 
お客が、お店でゆっくりと楽しそうに食事をしている姿を、自分がいつか出すであろう店に食べに来てくれるお客さんと光景をダブらせながら考えていました。
 
「日本に帰ったらこんな店にしたい!こんな料理を作りたい!!」
 
だけどこんなに忙しいのはちょっと(笑)
 
だって、
二百人分を一人で仕込むなんて、ありえません!!
そりゃ昼だけの営業でも十分やっていけるワケですよ。
 
 
そんなある日、
学校からカルデデウに帰ると、役所から一通の手紙が届いていました。
内容はこんな感じ。
 
「あなたが申請された学生証は受理されませんでしたので、十四日以内にスペイン国から退去してください」
 
「あ、やっぱりダメだったか(笑)」
 
でも、そんなに心配はしていませんでした。
なぜかといえば、すでに俺は公立の語学学校に入学しているので、日本のスペイン大使館に語学学校の入学証を持って行けば、問題なく学生ビザを取れることが分かっていたからです。
 
「それじゃ、1ヶ月くらい日本に帰って、ビザの申請して、友達に会って来よう!!」
 
 
ある意味「バケーション」です(笑)
 
すぐに旅行代理店へ行き飛行機のチケットを取って、一週間も経たないうちに飛行機に乗りました。
学校の授業は途中で抜けてしまうけど仕方ありません。
クラスの担任の先生には事前に事情を伝えてOKをもらっていました。
 
ですが、
このまま普通に帰るのもなんだか面白くないので、
ここで一発、クラスメートの皆を引っ掛けてやろうと、
俺はくだらないアイディアを思いついたのです。
 
日本へ帰る前日、学校にて。
「皆、突然なんだけど、僕は急に日本に帰らないといけなくなってしまったんだ。日本で自分のお店をやるために呼ばれてしまい、すぐに帰らないといけないんです。すごく残念だけど、今まで楽しかったです。どうもありがとう!」
 
 
 
前もって、このセリフは自分で勉強して暗記しておきました(笑)
 
皆、びっくりしていたのと同時に、少し寂しそうな顔をしてました。
クラスの中でもはしゃいでいた部類に入るので、隣でいつも一緒にバカなことやっていた、ポーランドの子もかなり残念そうにしていましたね。

そうです。
俺は、皆がこんなに簡単に引っかかるとは思っていなくて、
予想以上の反応に驚いちゃったワケですよ。
 
逆に、「騙しちゃってなんだか悪いなぁ」と思ったくらいですから(笑)
 
そんな中、
皆とお別れの集合写真も撮って「企画」は大成功。
 
だけど、先生にはちゃんと「後で皆に伝えといてね!」と頼んでおいたので、
数日後に「テツヤは戻ってきます」とクラスメートに言ってくれたようです。
 
日本に帰ってビザを申請している間、
学校の皆に日本の絵葉書を一枚書いて送りました。
 
「もうすぐ戻るからね!!!」
 
絵葉書がクラスに届いたのは、俺が学校に戻る2、3日前。
 
俺が学校に戻ってから絵葉書が届いていたらと考えると、
結構笑えます(笑)
 
 
そして、一時帰国当日。
ケイゴさん達や、パステレリアの「Piella(ピエジャ)」の夫婦に挨拶を済ませてから、空港に向かいました。
 
しかし帰りの飛行機の中はずっと寝てましたね(笑)
 
日本に帰ってすぐに必要書類をまとめて、東京にあるスペイン大使館へ行き、ビザの申請を済ませます。
二週間もしないうちにビザが下りて、あとはスペインに戻るまで実家でゆっくりしたり、ジャンボさんに連絡したり、友達に会っていたら、あっという間に一ヶ月が経っていました。
日本に戻っていた間、とにかく毎日がものすごいスピードで過ぎて行きました。
 
それと、俺はここで初めて「時差ボケ」を経験します。
 
夜中に目が冴えます。
昼間に眠くなります。
変な時間にお腹が空きます。
 
日本とスペインで、たかだか8時間しか時差がないのに、なぜか体内時計は逆になっています。
 
久しぶりに会うのに、
俺が昼間にずっと寝ていたせいか、親父もいい加減に呆れた様子で怒ってました(笑)
 
だけど、こればっかりは仕方ない。
だって眠いんだもん(笑)
 
 
そんなこんなで再びバルセロナへ戻り、語学学校、ケイゴさんのレストラン、そしてケーキ屋通いと、日本に帰る前のいつもの生活に戻りました。
学校では、俺が久しぶりに戻った事に皆が歓声を上げてくれます(笑)
有名人じゃないって。
 
そして、久しぶりの授業です。
 
が、
俺は約一ヶ月もスペイン語の勉強をしていなかったため、授業に軽くついていけなくなっています。
必死になって追いつこうと頑張りましたが、やっぱりそう簡単にはいきませんね。
 
 
さて、どうしよう!?


★★★つづく★★★
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